犬と暮らしたいと思ったら、是非、行き先を失ってしまい、不安で悲しい想いをしている犬を迎えてほしいなと思います。
では、どのようにして出会うのか…その一つが、里親募集サイトです。
サイトには、多くの犬が登録されていますが、その中から、どのようにして選びますか?最初は、見た目の可愛さをチェックするかもしれません。しかし、1つ1つを見ていくうちに、あなたの気持ちが変わっていくかもしれません。
里親を募集している理由や背景は様々ですが、大きく分けて次のようなケースがあります。
1.引越し、妊娠、体調不良、先住犬との相性が悪い等などの理由で手放される犬
2.ブリーダーではなく、個人で飼っている犬が産んだ子犬
3.愛護団体や保護団体、個人が保健所やブリーダー、繁殖所から保護/レスキューした犬
1の同居人の都合のケースは、手放す理由について「家庭の事情」としか書いていないどころか、全く書いていないものまであります。書いてあっても、「身勝手」と言わざるを得ないものが多くあると感じます。避妊去勢手術やワクチン接種をさせていないケースもあり、それまでの責任も果たしていないと言えるものもみられ、問題です。
このようなケースに応募することは、「命を簡単にお金で買い、都合が悪くなれば、捨てたり譲ったりすればいいんだ」という安易な考えが簡単に通ってしまうというメッセージを与えかねません。そして、里親が見つかれば、また同じことを繰り返す可能性がないとは言えません。
手放す理由や、避妊去勢やワクチンの有無、その他、書いてある犬の特徴や性格などから、現在の同居人の状況やスタンスについて見極める必要があると言えるでしょう。その上で、応募するかどうかの判断をしましょう。
2の個人で飼っている犬が産んだ子犬のケースはどうでしょうか。このケースは、次の2つにわけられます。1つは、避妊去勢をしなかったがために、妊娠してしまった妊娠させてしまったというケース。もう1つは、うちの子に子孫を残したいなどの理由で、ブリーダーに頼んで繁殖させるケース。
いずれも、自分の自宅で育てられないのに、避妊去勢をせず、妊娠する妊娠させるというのは、とても無責任なことだと言えます。妊娠・出産は、非常にリスクがあり、命をかけるといってもいい、大変なことなのです。特に超小型犬では、死産はよくありますし、自分も死んでしまうことがあるほど過酷です。人間の出産もとても大変ですから、想像がしやすいでしょう。
犬は妊娠・出産を望んでいるでしょうか。人間の希望で繁殖させられる場合、人間が決めた相手と人間が決めたタイミングで実施させれるのです。犬の気持ちを尊重していると言えるでしょうか。
また、殺処分されている犬が多くいる中、新しい命を人為的に産み出すことは、できれば避けたいところです。
子犬はコロコロしていて可愛いので、つい目がいってしまうかもしれません。しかし、「子犬の募集をかければすぐに里親が見つかるし、子どもができても困らない」と思われてしまわないよう、安易に応募するのはさけましょう。
最後に、3の保護団体などによって保護された犬のケース。保護された犬は、既に行き場を失い、傷つき不安になっている犬ですから、なるべく早く里親さんと出会ってもらいたいです。しかし、保護された犬ならどんな犬でもいいというわけではありません。
保護された団体・個人が、しっかりと飼育歴を把握し、誠意をもって事実を開示しているかを確認し、その上で、迎えることができるかを判断しなければなりません。
例えば、病気があればそれを正直に開示しているでしょうか。病気があれば、当然医療費がかかります。その医療費を払い、一緒に暮らしていけるかどうかを事前に確認する必要があります。
また、人間にとっての問題行動があれば、それも事前に開示してほしい内容です。それは、問題行動がある犬を迎えないためではなく、それを知った上で、犬と暮らしていけるかを確認するためです。私たちは、噛みつきや家具の破壊など、一般に「問題行動」と言われているものは、人間側の接し方によって、変わっていくと考えています。
人間にとって都合の良い情報だけではなく、気を付けたり配慮したりすべき情報についても開示されているか確認しましょう。
ここまで、里親に応募する側からの視点で書きましたが、募集している方からは、あなたが里親として適正かどうかも見られることを認識しておきましょう。アンケートやヒアリングが必要なこともありますが、必ず正直に答えるよう、お願いしたいと思います。
嘘をついたり何か隠したりして里親になっても、その犬だけではなく、あなたも不幸になりかねないからです。
里親募集サイトは、家に居ながらにして、犬を探すことができる大変便利な方法です。しかし、ネット上では、いくらでも嘘や誇張を書くことができてしまいます。サイトの情報だけで即決せずに、必ず直接会いにいき、その犬がどのような状態か、どのような性格か、そして一緒に暮らしていけそうかなどを、よく確認した上で判断しましょう。
一度辛い想いをした犬が、また同じような想いをしないように・・・
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