私の愛犬はペットショップから家族に迎えました。
私は犬と初めて暮らしたのが小学校3年生のときです。それから2匹の犬と暮らしていましたが、お世話は母に任せて私はまったりと一緒に過ごしたり、一緒にお昼寝をする係だったので、自分が世話をして一緒に暮らすことは初めての経験でした。
これは私がしっかりして、愛犬との楽しい暮らしをしなければと意気込んでいました。
「犬と暮らし始めたらまずハウストレーニングをしましょうね。」
とペットショップの店員さんから聞き、『子犬との生活スタートセット』を購入して、まだ3か月になったばかりの愛犬を家に連れて帰りました。
「子犬との生活スタートセット」には
横幅が変えられるサークル、
愛犬はオス犬だったので足を上げて排泄しても対応できる壁に立てかけるタイプのトイレ、
トイレシートがついていました。
実家で犬と暮らしていたときは特にハウスなどなく、自由気ままにすごしてもらったので、犬はハウスに入ってもらわないといけないというのに何となく違和感がありました。
しかし、「しっかり育てるぞ~」「愛犬を幸せにするぞ」と息巻いていた私は、ハウスに入ってもらったほうがきっと愛犬のためにいいのだろうと思ってたのです。それから自分なりに調べたり、しつけ教室、パピー教室に参加したりすると必ずハウストレーニングの重要性を説明される場面がありました。
ハウストレーニングが必要とされる理由として
・くつろげる、安心できる場所の提供
・問題行動(無駄吠え、誤飲、いたずら、噛みつきなど)の抑制
・緊急時に備えて(入院時や災害避難のとき)
が挙げられていました。
ハウスのあの狭い空間が大好き!という子ももしかしたらいるかもしれませんが、多くの犬たちはあまりハウスで寛いでいるように感じることがありません。
それよりも人間のベッドで大の字になって寝ていたり、コタツの中でベローンと伸びでいたりすることのほうが多いのではないでしょうか?
野生の犬たちは巣穴をほって生活をするので、それに似た狭い空間のクレートが犬は安心するのではないかと言う発想ですが、そもそも巣穴はいつもで出入り自由だし、好きなところに巣穴を掘ることもできます。
形状もお盆型だったり、横穴だったりいろいろなものがあるのです。クレートが巣穴の代わりになるというのはちょっと無理があるかなという印象です。
くつろげる、安心できる場所の提供は日当たりのいい場所や静か部屋の隅など、その子のお気に入りの場所にお気に入りの素材のクッションやベッドを置いておくだけでもう十分です。お気に入りの場所が見つかるとほとんどをそこでのんびり過ごしたりします。
「ここが安心だよ。ここにいてよ。ここいい感じの場所でしょ?」
といくら言われても自分が寛げないなら意味がありません。くつろげる場所は犬に決めてもらうのが一番です。
問題行動も実はクレートに閉じ込めることで悪化することがとても多いです。そもそも無駄吠えや誤飲、いたずら、噛みつきは犬の習性が満たされずストレスいっぱいになることにより引き起こされています。
そのストレスがいっぱいの状態の犬たちをクレートに入れてしまったら、もっと自由が制限されることによって、どんどんストレスが蓄積していってしまいます。
物理的にクレートに入っているといたずらをしなかったり、誤飲をしなかったりできますが、いたずらをされては困るものは片づけておく、誤飲をされるようなものは出しておかないということで対処できます。
最後に緊急時におけるクレートの需要性ですが、実際にそうなったときのことを詳しくシュミレーションすることが大切になってきます。
体調が悪くなり、病院へ連れていくためにクレートに入ってもらうことがあります。
この場合、犬も猫具合が悪いためにぐったりしています。「ちょっと見てもらおうね」と小型犬ならスリングに入れて大事に運ぶこともできます。
中型犬以上になるとスリングにも入らないので、抱っこして連れていったり、そのときだけ移動用として広々とした大きめのソフトクレートに入ってもらえばいいと思います。
「具合悪いからちょっと獣医さんに見てもらおうね」と説明するとすんなりクレートにも入ってくれることがとても多いです。犬猫さんたちも自分の体調の不良といつもと違う様子で協力してくれます。
最後に災害時の同行避難のため、そして避難所に一緒に入るためにハウストレーニングをしましょうということがよく言われています。同行避難の意識も高まりつつありますが、みなさんのお住まいの避難所には犬猫一緒に入れるよう法整備されていますか?
これはある市町村の場合ですが、同行避難してきても避難所には犬は入れず、鉄棒や体育館の外柱にある一定距離をとって繋がれる措置を取られるそうです。猫は校庭の真ん中にクレートを積み上げる措置をとるとのことでした。
ほかにも犬が一緒にクレートに入って避難所に入れるところはごく一部に過ぎないということが分かりました。せっかく同行避難しても一緒にいられないという事態がこのままでは多発しかねない状況です。
クレートトレーニングを頑張るより先に、お住まいの地域での同行避難がどうなっているか、避難所での犬猫の扱いはどのようになっているのかをまず調べることが大切なのではないでしょうか?
私が一番に感じているのは、いろいろなことを心配していろんなケースを練習するということよりも、毎日犬や猫たちのんびり寛げる暮らしを送ることに気を付けて、一緒にお散歩を楽しみ、よくコミュニケーションを図っておくことが大切だと思います。
よくコミュニケーションが取れているといざというときに、団結して動くことができます。
大丈夫です。練習してなくても、必要と犬たちが判断すればクレートにも入ります。危ないと思ったらちゃんと人間と逃げます。
「これができないと困るからトレーニングしないと!」というのは実はないのではないでしょうか?
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