人間が食事をしているときに、犬が騒いで困るという話をよく聞きます。
食べ物に関することは、一度習慣化してしまうとなかなか癖が抜けにくいのです。
犬が人間の食事に関心を持たないようにするのは、実は、そんなに難しいことではありません。最初から、「人間の食事と犬の食事とは関係ない」という態度を貫けばいいだけです。
テーブルに顔を近づけてきて、食べ物をとろうとする場合は、食べ物をとられないようにガードしながら、犬のことはチラッとも見ないように、まるでそこにいないかのようにしながら、淡々と自分たちの食事をしましょう。そうすることで、人間の食事にはなんの反応もしないようになります。
もし、犬が空腹の状態だったらうまくいきません。なので、自分の食事の前に、犬にごはんをあげておくといいでしょう。最初からこのようにしていると、なんの問題も起きないのです。
一般的に、「人間のほうが先に食事をしないと主従関係が逆転する」などと言われているため、空腹で待たせている人もいるかもしれません。でもこれは、犬にとっては残酷なことです。
自分が空腹なときに、他人が美味しそうなものを食べている様子を、指をくわえてみているのは、大人でも辛くてなかなか難しいことではないでしょうか。少なくとも非常にストレスがたまります。
空腹時には攻撃性が高まるので、イライラしてきて八つ当たりなどもしかねません。犬を困難な状況におとしいれるようなことはやめましょう。
また、餌皿を前にして、「オスワリ・マテ」をさせることも、同様に有害です。ご飯はさっさとあげましょう。
ここまでは「予防」について述べましたが、食事中にテーブルからごはんをあげるなどして、すでに人間の食事中に「くれ~、くれ~」と騒ぐようになってしまった犬の行動は、どのように直したらいいでしょうか。恐らく困っている方のほとんどはそのケースでしょう。
先に食べさせているのに、なおも「くれ~くれ~」攻撃をしてくる犬には、人間の食事と同時にご飯をあげるというのも手です。
それだけで満足する子もいますが、中には自分の分はさっさと食べてしまって、人間の食べているものをほしがる子もいるでしょう。
その場合、毎日ドライフードだけの味気ないジャンクな食事をしていたら、「今日から人間の食べ物はあげません」というルールを受け入れるのは難しくなります。そういう時には、半分ほど手作り食にしてみるとか、豆腐とカボチャなどをトッピングするだけでも満足度は上がります。
また、人間のごはんのときに、犬もいっしょに自分のお皿でごはんを食べてもらうようにするのもいいですよ。
そうやっておいしいものを与えたら、あとは一切犬には構わず、ちらっと見たりもせずに、ひたすら自分たちのごはんを食べるようにします。犬がやってきても知らん顔して、自分の体で食べ物をガードします。声かけは期待をもたせるのでやめましょう。
ここで取られてしまうと、人間の食事への関心がますます高まるので、取られないように気をつける必要があります。低いテーブルだとガードが難しいので、一時的に高いテーブルで食べるのもいいと思います。
いったん、人の食事と自分の食事がなんの関係もないことを理解してしまうと、それから先は非常に楽になります。
食事時にサークルに閉じ込めるという強制的な手段に訴える必要もなくなります。わざわざ足元にマットを敷いて、トリーツをあげながら「フセ・マテ」をさせるというトレーニングをする必要もありません。
それから、犬のウルウルした目で欲しがる姿に、どうしても人間のごはんをあげたくなってしまう・・という方もいると思います。最初はやめるのが辛いかもしれませんが、犬の健康のために頑張りましょう。
犬に必要なたんぱく質・脂質・炭水化物の割合は、人間と非常に近いものがありますし、人間が食べている野菜や果物、白米などを与えること自体は問題ありません。
ですが、人間のごはんに、ハム・ソーセージ・ちくわなどの加工食品を多用していると、塩分過多になりますから、犬の腎臓や心臓に影響を与える可能性があります。脂質過多・糖質過多で、肥満の原因になることもあります。重度の肥満になれば、何かの病気で手術が必要になった際、リスクが高まるため手術したくてもできないというケースもでてくるのです。
犬が人間の食事中にストレスを抱えることなく、そしてずっと健康でいられるように、自分の行動を見直してみましょう!
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