バランスがよくておいしいごはんをあげよう!

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犬に何を食べさせてあげたらいいかというのは、同居人にとって悩みの種です。

 

 

最近では、さまざまな種類のドッグフードが市販されているので、どれを選んだらいいか迷ってしまいますよね。また、手作り食など市販品ドッグフード以外の選択肢もあります。そこで今回は、フードの選び方について解説します。

 

 

犬に必要な栄養素とは?

そもそも犬はどんなものを食べるのでしょうか?よく、オオカミの子孫だから肉食というようなことを聞くことがありますが、これは誤りです。犬は人間に家畜化されることで進化し、人間の余り物を食べてきたので、人間と同様に雑食性です。人間よりもわずかにたんぱく質の所要量が多いくらいです。

 

 

犬に必要な3大栄養素の割合は、

 

・炭水化物60%

・たんぱく質25%

・脂肪15%

 

とされています(環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」)。

 

 

塩分の過不足に注意しよう

塩分については、成犬のナトリウム摂取量の目安は、体重1kgあたり50mgといわれています。市販フードのナトリウム含有量は約20~80mgとばらつきがありますが、犬が健康であれば、そんなに気にしなくても大丈夫でしょう。

 

 

ちなみに、人間の推奨塩分摂取量の上限は1日に5g、ナトリウム量にして1日に約2,000mgです。体重50kgの人では1kgあたり40mg、60kgの人は33mgになるので、犬とほぼ同じといえるでしょう。(ただし、日本人はこの倍くらいの塩分を摂っています。)

 

 

犬にあげると喜んで食べる人間の食べ物の中には、塩分が高いものもあるので注意が必要です。

 

 

<塩分量の一例>

・焼きちくわ1本(50g)…塩分1.2g(ナトリウム472mg)

・フランクフルト1本(60g)…塩分1.1g(ナトリウム443mg)

・塩鮭辛口1切れ(80g)…塩分1.5g(ナトリウム590mg)

 

 

つまり、もし体重5kgの犬が、これらを1本もしくは1切れ食べてしまうと、それだけで1日のナトリウム摂取量(250mg)を超えてしまいます。ドッグフードにはすでに必要な塩分が含まれているので、そこにこういう「おやつ」分が加わると、塩分過多になってしまうので気をつけましょう。

 

 

犬が食べてはいけない食べ物に注意!

犬は雑食性であるとは言っても、人間が食べても平気なのに、犬には毒になる食べ物があります。タマネギやチョコレートが犬にとって危険であることは一般的によく知られていますが、危険が及ぶ目安として以下の量を知っておきましょう。

 

 

<体重1㎏あたりの半数致死量(摂取した動物の半数が死亡する量)>

・タマネギ…15~20g

・テオブロミン(チョコレート)…300mg(ミルクチョコ:約120g、ダークチョコ:約50g)

 

 

体重5kgの犬ならこれを5倍するので、タマネギ1個、ミルクチョコ600g、ダークチョコ250gが半数致死量になります。もちろんこれより少ない量で死に至るケースもあります。犬がこれらのものを食べてしまったと気付いたら、よく様子を観察し、異常があれば動物病院へ連れて行ってください。

 

 

ただ、これだけの量を犬が自分で食べるというのは、ないとはいえませんが異常な事態です。慢性的な高ストレス状態が疑われますので、その対策をすることも必要になります。

 

 

市販フードの選び方

犬に必要な栄養素を過不足なく摂るには、市販フードが手軽です。市販フードには「総合栄養食」と「一般食」があります。

 

 

総合栄養食は、ペットフード公正取引協議会が犬に必要な栄養基準を満たしていると認めたフードで、一般食はこの基準を満たしていないフードです。毎日食べる主食には、必ず「総合栄養食」を選びます。

 

 

ドッグフードの原材料にも注目しよう

総合栄養食にもいろいろな種類があるので、よりよいものを選びたいものです。まずはどんな原材料が使われているかを見てみましょう。原材料は使用量が多いものから順に記載されています。とくに注意してチェックしたいポイントをみていきましょう。

 

 

肉副産物

肉副産物というのは、動物の内臓や骨、血液などのことです。腸の中に残っている糞便は製造過程で取り除くには手間がかかるので、フードによってはそのまま入っていることがあります。○○肉と書いてある場合には、人間の食品基準に不合格になった肉(病死した動物の肉など)を使用していることが多いと言われています。そうでない場合は、人間用食材使用などと記載してあるので、注意して見てみましょう。

 

 

トウモロコシ、大豆など

トウモロコシ、トウモロコシ紛、コーンミール、大豆、大豆ミールなどは、いずれも搾りかす(油を絞ったかすなど)を使用していることが多く、消化が非常によくありません。とくにトウモロコシ関連食材は、感情を安定させる作用があるセロトニンレベルを低下させるので、避けたほうがいいでしょう。

 

 

添加物

BHAやエトキシキンは抗酸化剤として添加されますが、健康上の問題が指摘されています。赤色○号、青色○号などというのは着色料で、犬に必要ないだけでなく、安全性が疑問視されています。

 

 

以上のポイントをみて、お値段は張りますが、できれば人間の食品基準に合格した食材を使用し、危険な抗酸化剤や着色料などの合成添加物、コーンや大豆などを使用していないフードを選ぶようにするといいでしょう。

 

 

ドライフードの保存方法

ドライフードの場合、パッケージを開封したときに、油臭いにおいがすることがあります。そういうフードはやめましょう。また、開封したてはいい香りでも、徐々に香りがとんで酸化が進んでいきます。1ヶ月程度で食べきれる量を買うとともに、できれば冷蔵庫で保存しましょう。

 

 

手作り食を取り入れてみよう

市販フードは保存がきいて便利ですが、少し前から犬のご飯を手作りする人も増えてきました。手作り食の本も出版されていますし、犬にも手作り食は人気です。完全栄養食の市販フードだけあげていればいいという人もいますが、犬にも繊細な味覚があり、好みがあります。人間と同様、おいしいものが食べたいのです。

 

 

手作り食の注意点

犬のために手作り食を取り入れるのは、とてもいいことですが、その際には注意が必要です。犬の食事も栄養のバランスが大切です。肉ばかりだと腎臓に負担をかけ、野菜ばかりだと消化器に負担をかけるなどして、食事が病気の原因にもなってしまうこともあります。

 

 

冒頭で述べたように、炭水化物60%、たんぱく質25%、脂肪15%という割合を守って作ることが重要です。

 

 

野菜はあくが少ない種類にして、全体の1割以内にとどめましょう。自分で栄養素計算ソフトを使って栄養素をチェックしながらメニューを作るか、栄養素計算してあるレシピを採用するといいしょう。栄養素計算ソフトはフリーソフトも有料のものもあります。

 

 

手作りする場合は、ネギ類やチョコレート(カカオ)のような、犬にとって害がある食材や、消化によくない食材は使わないように注意しましょう。もしも犬の栄養学的な知識がない場合は、しっかり勉強してからにしないと危険です。

 

 

市販フードと手作り食の併用がおすすめ

市販フードに手作り食を少し混ぜるか、最大でも半々ぐらいにするのが、それぞれのデメリットを補うという点で、もっともおすすめのやり方です。

 

 

市販フードを使えば、微量栄養素をそれほど気にしなくてすみますし、手作り食を取り入れることで味気なさをカバーすることができるからです。

 

 

肉の生食は危険

しばらく前から、犬に主に肉を生で与える生食(BARFダイエット)というのが流行っていますが、これには注意が必要です。生食は、動物の体には酵素が必要ですが、酵素は熱に弱いので加熱しない食材を摂ったほうがいいという考え方に基づいています。

 

 

ですが、肉を生で食べたとしても、「酵素や肉本来の栄養素」は胃酸により分解されてしまうので、そのまま小腸に届くことはありません。また、動物は食料として摂取したアミノ酸を材料にして、体内で酵素を作っていくので、生で摂取することによるメリットはありません。

 

 

それどころか、加熱処理していない肉には、寄生虫や細菌性中毒のリスクがあります。犬の下痢・嘔吐の原因菌であるカンピロバクターやブドウ球菌、サルモネラ菌などは、冷凍しても不活性化できませんから、食中毒を引き起こします。犬は人間とともに進化し、人間の食べ物を食べてきたので、加熱食に適応しています。くれぐれも生肉は危険であることを知っておきましょう。

 

 

犬に聞いてみよう

フード選びは、犬の体調と嗜好を見ながら行うのがもっとも大切です。同居人がいくらいいフードだと思っても、犬の体調が悪くなったり、喜んで食べてくれなかったりしたら意味がありません。

 

 

よさそうなフードを見つけたら、少し食べさせて様子を見ましょう。もし問題がなさそうなら、いままでのフードに混ぜて、少しずつ新しいフードの割合を上げていってください。そうすると、無理なく切り替えることができます。犬にもぜひ、体にいい食事を楽しんでもらいましょう!

 

 

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