「ブリーダー」とは、犬を人の手で繁殖し、次の家族へとつなぐ役割をもつ人たちのことを指します。
ペットショップとは違い、実際に犬が育っている環境を見られることや、親犬の様子を知ることができる点に魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。
人気の犬種と遺伝性疾患という問題
日本では、トイプードルやチワワ、ミニチュアダックスフンドなど、小型の純血種が人気です。
見た目のかわいらしさや飼いやすそうというイメージから、多くの方に選ばれています。
ですが、純血種の犬には、特定の遺伝性疾患が見られることが少なくないのです。
たとえばチワワでは、「泉門開口(せんもんかいこう)」と呼ばれる状態が見られることがあります。
頭の一部が完全に閉じていない状態で、成長とともに閉じる場合もあれば、将来的に健康リスクにつながる可能性も指摘されています。
こうした特徴について、「よくあること」と説明されることもありますが、実際には遺伝が関係しているケースもあります。
なぜ遺伝的な問題が起こるのか
犬の遺伝性疾患は、数百種類あるともいわれています。
その背景のひとつとして指摘されているのが、「近い血縁同士での繁殖(近親交配)」です。
純血種の特徴を維持するためには、同じ犬種同士での交配が続けられます。
その結果として、遺伝的な偏りが強くなり、特定の疾患が現れやすくなると考えられています。
また、「犬種標準」と呼ばれる人が定めた見た目の基準に近づけることが優先されることで、外見は整っていても、体に負担がかかりやすい特徴が残ってしまうこともあります。
見た目のかわいさと、暮らしやすさは別のもの
たとえば、
- 呼吸がしづらい構造
- 関節に負担がかかりやすい体型
- 皮膚トラブルが起きやすい体質
など、見た目の特徴が、そのまま生活のしづらさや生きづらさにつながっているケースもあります。
もちろん、すべての犬がそうなるわけではありません。
ですが、そうしたリスクがあることも、知っておく必要があると感じています。
ブリーダーという選択を考えるときに
ブリーダーの環境や考え方は本当にさまざまです。
犬の健康や生活を大切にしながら繁殖を行っている方もいれば、そうでないケースもあります。
だからこそ、
- 実際に犬が育っている環境を見ること
- 親犬の様子や健康状態を確認すること
- 繁殖の考え方について話を聞くこと
など、「どこから迎えるか」だけでなく、「どんな人から迎えるのか」を丁寧に見ていくことが大切になります。
迎える前に考えておきたいこと
犬を迎えるということは、その子の一生に関わることです。
見た目の好みや憧れだけで選ぶのではなく、
- その犬がどんな背景をもっているのか
- どんなリスクや特性があるのか
- 自分がそれを受け止められるか
そうしたことを、少し立ち止まって考えてみてほしいと思います。
もうひとつの選択肢として
現在、行き場を失った犬たちが多く存在しています。
保護団体や愛護センターなどでは、新しい家族を待っている犬たちがいます。
私たちは、犬を迎える際に、そうした選択肢についても知った上で考えていただきたいと考えています。

