犬同士を仲良くさせたいと思う人は多いでしょう。
ですが、良かれと思ってしたことが、かえって犬を「犬嫌い」にしてしまうことがあります。
犬の社会性は、無理に交流させることで身につくものではありません。
この記事では、犬同士が安心して関われるようになるための考え方と、交流するときのポイントをご紹介します。
犬同士を仲良くさせようと急がないで
社会性は経験の積み重ねで育つ
犬は社会性が高い動物ですが、生まれつき他の犬との付き合い方を知っているわけではありません。
子犬の頃からさまざまな経験を重ねることで、適切な距離の取り方や安心の伝え方を少しずつ学んでいきます。
特に子犬には「社会化の感受期」と呼ばれる大切な時期があります。
この時期の過ごし方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

無理に近づけるとかえって苦手になる
「犬同士を仲良くさせたい」と思うあまり、人間が相手の犬へ近づけてしまうことがあります。
ですが、それで犬が怖い思いをすると、「他の犬は怖い」という印象を持ってしまうことがあります。
交流は、人間が作るものではありません。
犬自身が「近づいてみよう」と思えることが大切です。
交流を始める前に大切なこと
まずは安心して散歩できるようになろう
他の犬との交流よりも先に、安心して散歩できることが大切です。
人や犬、車が少ない静かな場所で、
- 地面のニオイを嗅ぐ
- 草を口にする
- リラックスして歩く
このような様子が見られるようになれば、心にも少し余裕が生まれてきます。
まずは犬が落ち着いて散歩を楽しめる環境を整えてあげましょう。

犬から近づくのを待とう
交流するときは、人間が犬を相手の犬へ連れて行くのではなく、犬が自分から近づくのを待ちます。
もし犬連れの人が近づいてきたら、距離を取ってもらうようお願いしましょう。
犬が自分から穏やかな犬へ近づいていくようなら、そのまま見守ります。
犬自身が選んだ交流のほうが、安心して経験を積むことができます。
安心して交流できる相手を選ぼう
穏やかな犬との出会いを大切に
犬は、他の犬からも多くのことを学びます。
だからこそ、交流する相手選びはとても重要です。
例えば、
- 犬を乱暴に扱っている人の犬
- チョークチェーンなど首を締める道具を使っている犬
こうした犬は、ストレスや痛みから攻撃的になっていることがあります。
反対に、
- ゆっくり歩いている
- 飼い主が落ち着いて接している
- 穏やかに過ごしている
そんな犬は、挨拶も上手なことが多く、良いお手本になります。
犬具にも気を配ろう
交流するときは犬具も大切です。
- 3m以上のロングリード
- 首を締めないハーネス
- リードは張らずにたるませる
こうすることで、犬は「怖くなったら離れられる」という安心感を持つことができます。
ロングリードの使い方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

犬同士の上手な挨拶を知ろう
犬同士の挨拶は、人間が思っているよりもずっと静かです。
上手に社会化された犬は、相手の様子を見ながら歩く速度を落としたり、顔を横に向けたり、一度離れたりして、相手を安心させるためのボディランゲージを使います。
お互いに安心できたら短く挨拶を交わし、すぐに離れていきます。
長時間遊び続けることが「仲良し」というわけではありません。
短く穏やかに交流できることが、犬らしい自然な挨拶です。
こうした交流は避けよう
反対に、
- しつこく追いかける
- 飛びつく
- 多くの犬で囲む
このような交流は、犬同士の付き合い方を十分に学べていない状態でよく見られます。
そのため、ドッグランのように興奮した犬が集まりやすい場所では、誤った交流を学習してしまうことも少なくありません。
犬の社会性を育てたいなら、たくさんの犬と遊ばせることよりも、穏やかな犬と安心して過ごせる経験を積み重ねることのほうが大切です。
安心できる経験が犬の社会性を育てる
犬の社会性は、他の犬と遊んだ回数で決まるものではありません。
安心できる環境で、自分のペースで交流し、「他の犬は怖くない」と感じられる経験を積み重ねることが大切です。
焦って近づけたり、無理に仲良くさせようとしたりする必要はありません。
犬の気持ちを尊重しながら、一つひとつ安心できる経験を重ねていけば、自然と犬同士の付き合い方も身についていきます。

