日々の暮らしの中で、犬にとって最大のイベントは散歩です。
散歩の準備をはじめると、大喜びで跳ね回り、リードをつけるのを待ちかねて、玄関から飛び出していく・・・
犬といえばこんなイメージがありますし、またそういう犬は多いものです。
その一方で、散歩に行きたがらないという犬も少なくありません。
この記事では、その原因を探っていきたいと思います。
犬が散歩に行きたがらない主な理由
散歩に行きたがらないのには、いくつか原因が考えられますが、主な理由は次のものです。
首輪やハーネスへの不快感
首輪やハーネスなどがきついなど、散歩に必要な道具が原因で嫌がっていることがあります。
犬が引っ張ると首が絞まるチョークチェーンやスリップカラー、同じく引っ張ると胴が締まるハーネスや、マズルを縛るタイプの犬具などは、犬に痛みや不快感を与えます。
また、足を通すタイプのハーネスは、装着時に人間が足を持つことで嫌がるようになりやすいです。犬の体に負担をかけない、頭からすっぽりかぶるタイプのハーネスがお勧めです。
外に出るまでの環境への不安
最近では、犬と暮らせるマンションが増えてきましたが、共有スペースを歩く際に犬を抱っこするようにというルールを定めているところが多いようです。
そうやって狭い廊下を通ったり、エレベーターの中にいたりするときに、ほかの人や犬と会うと吠えてしまう犬もいます。逃げ場がないところで人や犬と接近する恐怖からです。
その際に犬を叱ってしまうと、犬はますます廊下やエレベーターが苦手になります。そこを通るのが嫌で散歩に行きたがらなくなってしまうということもよくあります。
こういう場合には、人や犬などがなるべく少ない時間帯に散歩に出るようにしましょう。
人間が「注意されないかな」などとビクビクしていると、それが犬に伝わり余計に過剰反応することもありますので、私たちもなるべくリラックスして行動するようにしましょう。

過去の嫌な体験
以前の散歩中に、花火や爆竹などに遭遇したり、他の犬に襲われるなどの怖い体験をしたなどということがありませんでしたか?
それが原因で散歩自体が怖くなってしまったのかもしれません。
そんな場合は、無理に連れて行こうとせずに、自分から行く気になるのを待ちましょう。落ち着いた安全な環境で、2~3日のんびり過ごしていると、少しずつ回復してきます。
社会化不足や経験不足
マンションの共有スペースは嫌がらない、あるいは一軒家に住んでいるのに、散歩に行きたがらないという場合は、子犬のときに散歩を始める時期が遅くなった犬によく見られます。
いわゆる社会化不足というものですが、生後3週齢から10~12週齢ぐらいの感受期に、適度な刺激にさらされ外界に適応しておかないと、散歩で出会う刺激を脅威に感じるようになってしまうのです。
また、感受期に怖い体験をしてしまうと、その記憶が強く残り、生涯にわたって怖がるようになってしまうことがあります。
このような場合には、刺激がなるべく少ない場所につれて行き、散歩で怖いことは起こらないということを、学習し直してもらいましょう。
近所に原っぱや河川敷、人が少ない自然公園などがオススメです。
もし犬が怖がって立ち止まったり固まったりしたときには、「そんなの平気だから歩きなさい」と無理強いしたりせずに、「そうか、怖いんだね」と犬の気持ちに寄り添ってあげるようにすると、少し安心してくれます。
まずは怖い刺激が届かない安全な場所に避難し、しばらく一緒に休憩して、犬が落ち着いたらまた散歩を再開します。無理そうならそのまま帰宅しましょう。そうやって犬自身が負担にならないように配慮することで、少しずつ刺激を受け入れられるようになるのです。
慣らすのではなく、犬が慣れるのを待つという意識でいることが大切です。
スパルタ式に無理強いすることは、さらに恐怖感を植え付け、苦手なものをトラウマにしてしまいますから、十分に注意しましょう。

散歩に行きたがらない時の状況別にみるサイン
どんな理由があるかについてまとめてきましたが、ここからは、ケース別にご紹介します。
急に散歩に行きたがらなくなった場合
まず、今まで喜んで行っていたのに、急に行きたがらなくなったという場合です。
これは第一に、体調不良や病気、怪我などが考えられます。
元気がない場合には獣医の診察を受けましょう。
また、前項にあげた、「過去の嫌な体験」もこれに当てはまります。
散歩の準備をすると逃げていく場合
次は、散歩の準備をすると逃げて行くという場合です。
ハーネス、リードなどを装着する時に、早く着けようとして、追いかけまわしたりしていませんか?
追いかければ犬は逃げて追いかけっこになりますから、玄関先で犬具の準備をして、静かに座って待っていてください。犬がそばに来たら、犬の真正面からではなく、横や後ろの方から、ゆっくりした動きで落ち着いて装着します。
慌ててバタバタ着けようとすると犬は興奮したり逃げようとしたりしますから、落ち着いて行うことが重要です。
まとめ:対策をしたら無理強いはせずに犬のことを待とう
以上が、散歩に行きたがらない原因と対策についてでした。
犬にとっては散歩が日々の暮らしのなかでの唯一といっても良いくらいの楽しみです。
そんな散歩に行きたがらない時は、よく観察し原因が分かったらそれを取り除いてあげましょう。
ここで重要なのは、行きたがらない犬を無理やり引っ張ったり抱っこしたりして、散歩に連れ出さないということです。
対策・改善をしたら、犬が散歩に行こうと思えるタイミングを待ちましょう。
散歩嫌いを克服し、楽しい散歩ができるようになると、犬も人間も毎日の暮らしがずっと楽しくなります。そうなるように、安全な環境を提供して、犬が慣れるのを待っていてあげましょう。

