犬と暮らし始めると、
「いい子になってほしい」
「吠えない犬になってほしい」
「噛まない犬になってほしい」
そんな願いを持つ人は少なくありません。
もちろん、「一緒に楽しく暮らしたい」という気持ちからでしょう。
ですが、その期待が大きくなればなるほど、犬との暮らしが苦しくなってしまうかもしれません。
何より、犬が苦しむことに・・
もし今、「思っていた犬と違う」と感じているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
犬に理想を求めるほど苦しくなる
犬を迎える前、多くの人は犬との幸せな暮らしを思い描きます。
癒やしてくれる存在・・
いつも穏やかで優しい存在・・
一緒に楽しく散歩できる存在・・
それは当然のことかもしれません。
ですが、その理想を犬に求め始めると、現実とのギャップに苦しむようになります。
「どうして吠えるの?」
「なんで噛むの?」
「ちゃんと言うことを聞いてくれない。」
そんな思いが積み重なると、犬を変えようとすることばかり考えるようになってしまいます。
犬にも感情や意思があります
犬は、人間の思い通りに動く存在ではありません。
嬉しい、楽しい、怖い、不安。
嫌だな、もっと遊びたいな、ゆっくり寝たいな、休みたい。
人間と同じように、そのときどきでさまざまな気持ちを感じながら暮らしています。
にもかかわらず、人間の期待や都合を優先してしまうと、犬は自分の気持ちを理解してもらえない状態になってしまいます。
犬との暮らしは、人間が一方的に理想を押し付けるものではありません。
「こうあるべき」を手放してみよう
私たちは知らないうちに、「犬はこうあるべき」というイメージを持っているのかもしれません。
吠えないほうがいい。
人懐っこいほうがいい。
誰とでも仲良くできたほうがいい。
でも、それは犬自身が望んでいる姿ではないのです。
犬にも性格があります。
得意なことも苦手なこともありますし、その時々の気分もあります。
人間にもいろいろな性格の人がいるように、犬もみんな違います。
「こうあってほしい」という期待を手放すだけで、犬のありのままの姿が見えてくるようになります。
犬の気持ちを尊重すると関係は変わる
犬との暮らしで大切なのは、犬を理想どおりに育てることではなく、「この子は今、どう感じているんだろう?」と考えることです。
怖がっているなら守る。
疲れているなら休ませる。
ゆっくりニオイを嗅ぎたいなら待つ。
犬のありのままを受け止めて気持ちを尊重するようになると、犬は安心して過ごせるようになります。
友達や家族とのコミュニケーションでも、自分の思い通りにしようと一方的に考えを押し付けたら、関係は悪化してしまいます。
そうならないように、相手の表情やちょっとした言葉をよく見聞きしながら、コミュニケーションをとっていくことで信頼関係が築かれていきます。
犬との関係も同じなのです。
犬との暮らしは理想を手放したところから始まる
犬との暮らしは、理想の犬を育てることではなく、目の前にいる犬を理解し、その子らしく幸せに暮らせるよう寄り添うことです。
期待を手放すことができたとき、人は犬を変えようとしなくなります。
そして不思議なことに、その頃から犬も安心し、本来の穏やかな姿を見せてくれるようになるのです。
これまで、「言うことを聞かせよう」「理想の犬に育てよう」と頑張ってきた方にとっては、考え方を180度変える必要があります。
最初はちょっと戸惑ったり、「本当にこれでいいのかな?」と不安になったりすることもあるかもしれません。
ですが、是非意識して心掛けてみてください。
犬の気持ちや意思を尊重して、ありのままの姿を受け入れること。
その積み重ねが、人も犬も安心して暮らせる関係を育てていきます。
互いに幸せな気持ちであふれる生活を一緒に目指していきましょう。

