犬を迎えたら、どのような環境で暮らしてもらいたいと考えますか?
最近では室内で暮らす犬が増えていますが、中型犬や大型犬では、今も外飼いや繋ぎ飼いが行われていることがあります。
ですが、犬にとって屋外で生活することは、大きなストレスになります。
さらに繋ぎ飼いは、そのストレスをより深刻なものにし、咬傷事故につながる原因にもなります。
犬も私たちと同じように、安心できる場所で暮らすことが心と体の健康につながります。
この記事では、外飼いや繋ぎ飼いが犬に与える影響について考えてみましょう。
犬は家族と一緒に暮らす動物
犬は社会性が高い動物です。
本来は家族と同じ空間で過ごし、お互いの様子を感じながら安心して暮らします。
ところが、外で生活していると人との関わりは限られ、不安や緊張を抱えやすくなります。
庭が広くても、自由に歩き回れるスペースがあっても、それだけで犬が安心して暮らせるわけではありません。
暑さや寒さ、雨風にさらされることもありますし、工事の音や雷、見知らぬ人や動物が近づいてきても、自分から安心できる場所へ移動することが難しくなります。
犬にとって大切なのは、人の気配を感じながら安心して過ごせることです。
繋ぎ飼いは犬をさらに追い詰める
外飼いだけでもストレスがありますが、繋ぎ飼いではさらに深刻になります。
犬は怖いことがあれば距離を取り、安心できる場所へ移動することで自分の身を守っています。
しかし、繋がれている犬にはそれができません。
逃げることも、隠れることもできず、不安や恐怖を感じても、その場で耐え続けるしかありません。
私たち人間でも、一日中その場から動けず、嫌な人が近づいてきても逃げられない生活を想像すると、そのつらさが分かるのではないでしょうか。
こうしたストレスが積み重なることで、犬は些細な刺激にも過敏に反応するようになってしまいます。
外飼いや繋ぎ飼いは咬傷事故の原因にもなる
ニュースになるような咬傷事故では、「突然噛んだ危険な犬」と報道されることがあります。
ですが、その背景には、犬が長い間ストレスを抱えていたことも少なくありません。
逃げ場がない状態で暮らし続け、さらに嫌がっているのに触られたり、近づかれたりすれば、自分を守るための手段として噛みつきます。
犬は理由もなく攻撃する動物ではありません。
追い詰められた結果として、自分を守る行動をとっているのです。
お店の前などで犬を繋いで待たせるのもやめよう
「少しの時間だから」と、コンビニやスーパーなどの前で犬を繋いで待たせる場面を見かけることがあります。
ですが、犬にとっては知らない場所で一人取り残され、不特定多数の人が行き交う不安な状況です。
勝手に触ろうとする人が現れれば、事故につながることもありますし、犬が連れ去られてしまう危険性もあります。
犬を一人で待たせることは、ほんの数分でも避けるようにしましょう。
しつけではなく暮らしを見直そう
咬傷事故が起こると、「もっとしつけをするべきだった」という声を耳にすることがあります。
ですが、強いストレスを抱えた犬に対して、叱ったり訓練したりしても何も解決しません。
まず見直したいのは、
- 安心して過ごせる生活環境
- 犬の気持ちを尊重した接し方
- 家族と一緒に落ち着いて過ごせる時間
です。
私たち人間も、ストレスが積み重なれば心に余裕を失います。
犬も同じです。
安心できる暮らしがあってこそ、本来の穏やかな行動が引き出されます。

世界では繋ぎ飼いを禁止する国もある
動物福祉の考え方が進んでいる国では、犬の繋ぎ飼いは虐待と考えられ、法律で禁止されています。
例えば、スウェーデン、スイス、ドイツ、イタリア、ニュージーランドなどです。
それだけ、犬にとって繋ぎ飼いは苦痛を伴う飼育方法だと考えられているのです。
犬を守るためには、犬が安心して暮らせる環境を整えるという視点が欠かせません。
犬が安心して暮らせる毎日を選ぼう
犬は番犬として庭につないでおく存在ではありません。
家族の一員として、人と一緒に暮らすことで安心し、心も体も健やかに過ごせる動物です。
犬が落ち着いて眠れ、怖いときには逃げられ、家族の気配を感じながら安心して過ごせること。
それが、犬にとって本当に豊かな暮らしです。
外飼いや繋ぎ飼いではなく、人と同じ室内で自由に過ごせる環境を選んであげてください。

