同居家族がちょっと動けばじゃれ付いて飛びつき、噛み、遊んでくれとつきまとう…。
些細な刺激で興奮して、ほとんど一日中ウロウロと興奮状態…。
部屋にあるクッションやソファーなどを手当たり次第に噛んだり、落ちているものを片っ端から食べてしまったり…。
そんな犬をうっとうしく感じ、リードでつないだり、サークルに入れてしまったりしたくなる気持ちも分かります。
ですがちょっと待ってください!
そこでまたつないだり閉じ込めたりしてしまうと、フラストレーションからさらに興奮するようになるのです。そしてさらに破壊や噛み付きがエスカレートする、という悪循環に陥ってしまいます。
犬がそんな状態に陥っていたら、規則正しく静かで落ち着いた生活環境を整えて、ロングリードでののんびり散歩で、犬がリラックスできるように努めることが重要です。
室内では、犬が届きそうなところに齧られて困る物を置かないようにするというのが鉄則です。
破壊がひどいときには、一時的にバスマットやクッションなどをすべて片付けましょう。落ち着いてきたら、少しずつそれらを元に戻していけばいいのです。その上で、齧っていいものをいくつか置いておき、「こっちにしようね」と小さな声で静かに言って、プレゼントします。
食べてしまう犬には、壊れにくくちょっとくらい欠片を飲み込んでもいい「ナイラボーン」とか、骨ガムとか、トイレットペーパーの芯、大型犬用の破壊おもちゃなどを置いておきましょう。
犬が興奮している場合にはとくに、そういう「イタズラ」や、飛びつき、興奮噛みなどに反応しないことが重要なのです。人間がしつけなければと大声をあげて叱ったり、手を振り回したり、叫んだりなどしたら、事態はますます悪化します。
破壊行動をしているときに、「こっちを噛めば」などという場合も、さりげなく静かに近づいて、代わりの物を渡したらさっさと引き上げ、あとは知らん顔しておきます。もし代わりのものに興味を示さなくても、そのままにしておいて、次回はもっと興味をそそるものを探しておいてあげましょう。
ひどく興奮して手当たり次第飛びついてくるというようなときには、犬をひとりにして人間は各自の部屋に静かに退散するようにします。それでも落ち着かないときは、一時的に外出し、犬が落ち着いたらまたもどってみてください。
これは罰ではなく、犬猫たちも仲間同士でよくやっている「落ち着こうね」というカーミングシグナルなので、穏やかに、かつ静かに行動することがポイントです。やさしく、「ちょっと落ち着こうね」と声をかけて行くのもいいでしょう。
じゃれ噛みやストレス噛みをされると、どうしてもちょっと痛かったり、あるいは怖かったりして、手をさっと引いてヒラヒラさせたりなどする人が多いかもしれません。
そういったじゃれつきには、フリーズすることが基本です。すべての動きを止めて、じっと動かないようにします。そのときに、手は胸の前でクロスしましょう。犬の方は見ずに、斜め下や横などを向いて固まります。
足などを噛んでくる犬もいますが、ここで人間がまったく動かなければ、そのうちに止めるでしょう。椅子などの後ろに避難してフリーズすると噛まれなくていいですよ。
とにかく黙って、無反応をキープする(カーミングシグナル)ことが重要です。
それでも犬が飛びついてくるという方もいますが、よく話を聞いてみると、さんざん犬の相手をして興奮させた後にフリーズしているケースがあります。
犬がじゃれてきたときに、犬の方を見ながら、「ダメだよ、ダメ。やめて」なとと言って体をよじったりなど、そんなことをひとしきりやってからフリーズしても、犬はすっかり興奮しているので、なかなか収まりません。
興奮してからでなく、飛びつかれそうだなというときに、顔を背けて固まってしまうのです。あるいはその段階で部屋から出て行ってもいいしょう。
このタイミングを逃し、犬を余計に興奮させてしまっていることが非常に多いのです。
犬の飛びつきや興奮をおさめるには、興奮せずに済む落ち着いた環境を整えることと、興奮をあおらないように、私たち人間の行動を見直すことが必要です。
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