近年、ペット可のマンションが増えていて、犬とマンションなどの集合住宅で暮らしている方も多くいると思います。
しかし、ペットが吠える声に苦情がでたり、マンション館内の移動時の細かな規則があったり、あまり快適とは言えないのが現状かもしれません。
実体験をふまえて、マンションで犬と暮らす上でのメリットとデメリット、デメリットについては対策なども含めてまとめてみました。すでにマンションで犬と暮らしている方も、これからマンションで犬と暮らそうと検討していた方も、是非参考にしてみてくださいね。
マンションと一言で言っても、それぞれの造りや築年数などよって違うので、ここでは実体験を元に、感じたことをあげてみます。
戸建だと、例えば物音がするかしないか、電気がついているかいないかで、在宅かどうかが外から分かってしまうこともあるでしょう。そうすると、なかなか来客を避けにくいことがあるかもしれません。
その点マンションだと、セキュリティもしっかりしていますし、あまり大きな声では言えませんが、居留守をつかわせてもらうことなども可能です。犬の状態や状況によってはそのような対応が必要で、助かることもあります。
また、荷物はサインが必要なものやクール便以外は、宅配ボックスに入れてもらうことも可能です。
地震や台風など、災害が多い日本では、とても気になるポイントではないでしょうか。地震の揺れや強風・雷の音などを、とても怖がる犬は多いです。
最近のマンションでは、地震の振動を実際の震度ほどは感じません。防音性にも優れているので、怖いと感じることはずいぶん緩和されているのではないかと感じます。台風や豪雨で床上浸水などの被害にあうリスクも減るので、犬との避難について不安を抱えることも少ないかもしれません。
続いてデメリットをみていきましょう。
マンションだと犬が外に出たいタイミングで、スムーズに出ることが難しくなります。当然ながら、外に出るには人間が同行しなければなりませんし、大規模マンションともなると、外に出るまで時間がかかってしまうこともあります。
我が家の愛犬は、庭のある祖母の家に行ったら、お庭でのんびり過ごすことが多く、排泄も毎回お庭に出てしていました。普段、散歩以外は室内のペットシーツに排泄をしますが、やはり外でするのが快適で、犬自身にとってそれが自然なんだろうな…と感じました。
犬が外に出たがったら、そのタイミングに合わせて出て、排泄やリフレッシュができるようにしてあげましょう。
私が住んでいるマンションの場合、マンション内の移動はすべて、クレートやスリングに犬をいれておかなければいけません。抱っこだけでは規則違反になります。
もし、クレートやスリングが苦手な犬だったら、大変な負担がかかってしまいます。クレート・スリングの他にも、犬を乗せるカートなど、いろいろなものがあるので、犬にとって一番ストレスなく移動できるものを探してみましょう。
エレベーターが複数基あっても、犬と一緒だと乗れるところが限られているマンションもあります。また、犬が苦手な人に配慮して、エレベーターに人が乗っていた場合は、「犬を乗せてもいいですか?」と確認しなければならないルールがあることも。残念ながら、犬と乗っていると、露骨に嫌な顔をされることもあります。
だったらせめて気分転換ができるように、ベランダに出てもらおう…!と思うかもしれませんが、ベランダも出してはいけないことになっていることが多いです。マンションのベランダは、管理組合が管理する「共用部分」だからだそうです。
マンションの世帯数が多ければ多いほど、マンション出入り口付近やエレベーターの人の出入りも相当なものになって、それが刺激になってしまいます。
エレベーターでは、子どもに覗き込まれたり、大きな荷物を持った人が乗ってきたり、犬にとってとても怖い思いをさせてしまう可能性があります。それを少しでも避けるため、エレベーターの隅で犬を壁側に向けて自分が盾になったり、階段をつかったりするといいかもしれません。なるべく人の出入りや犬の散歩が少ない時間帯を狙うこともポイントです。
エレベーターに他の犬が乗っていたら、乗らずに先をいってもらいましょう。逆に自分が先に乗っていて他の犬が乗ってきたら、自分がおりたり、相手の方に次に乗ってもらうようお願いしたりすると、お互いの犬にとってストレスが最小限に済みます。
出入り口が複数あるなら、人も犬も少ない方を選びましょう。また、抱っこが可能な犬なら、出入り口のもっと手前で抱っこをして入るといいです。出入り口付近で、他の犬や大きな荷物を運ぶ宅配業者と鉢合わせして、犬が興奮するような機会を減らすことができます。
共用部分の工事や清掃、室内に作業員の方が入る点検など、いつからいつまでと日程が決められています。室内の点検であっても、日程調整が不可能なことが多いです。来客が苦手な犬は多いので、そんな時は困ってしまいますよね。
家族がいる日であれば、その間は誰かに対応をお願いして自分は犬を外に連れ出してあげるといいです。近くに両親の家など、犬が慣れている家があれば、一時避難しておくのもいいでしょう。そういった対応が難しければ、犬が少しでも負担を減らせる方法を探りましょう。抱っこすると安心してくれるなら抱っこしたり、点検のない部屋で待ってもらったり…。
インターホンがなると興奮するなど犬が嫌がるなら、インターホンはならさず、順番がきたら電話をしてもらうよう、事前にお願いの連絡をいれておくのもいいです。その際、「来客をとても怖がってしまう犬がいるので、室内では犬に目を合わせたり声をかけたりしないでもらうよう作業員の方に伝えて頂けますか?」と一言添えておくと、より安心です。
残念ながら、ペット可マンション=居住者はみんな犬が好き…ではありません。犬をあまりよく思ってない人が、犬の吠える声などに、直接苦情を言ったり管理組合に言ったりすることがあります。うちのマンションでは、犬の吠える声がうるさいという苦情が立て続けにあったようで、注意喚起の貼り紙がされたことがありました。
そういうことで、吠えやすい犬と一緒に暮らす人は、犬が吠えることに余計に神経質になり、とても恐縮しながらマンション内を移動したり、吠えた時に犬を強く叱ったりするようになります。同居人の緊張感は犬にも伝わりますし、そこに更に叱ったりしつけをしたりすると、犬は余計にストレスをかかえることになり、神経質になってまた吠えるという悪循環に陥ります。
マンション館内の移動中に吠えるという場合は、既に述べてきたように、犬に少しでも負担がかからない方法を探っていきましょう。室内で、犬が外から聞こえてくる音に警戒して吠えるのは、ごく普通のことです。犬が嫌がるような音がしたり、音に敏感になっていたりしたら、窓を閉めておいてあげましょう。廊下から聞こえる声にずっと反応しているなら、一緒に玄関先までいき、「◯◯の音だったよ。大丈夫だよ。」と声をかけてあげると警戒も和らぐようになります。
もし、音がなりやんだのに吠え続けたり、ほんの小さな音にも敏感で吠えたりする場合は、犬が非常に大きいストレスを抱えているということです。犬が快適に過ごせる室内環境を整え、犬が嫌がることをしていないか、接し方を今一度見直しましょう。
以上、メリットとデメリットをあげてみましたが、マンション暮らしはどうしても犬に負担をかけたり不快な思いをさせたりすることが多くなってしまいます。
ご参考までに、少しでも犬の負担を減らせる方法もあげてみましたが、お住いのマンションの造りや規則、また、それぞれの犬によって、どんな風にしたらいいかは変わってきます。ぜひ、少しでも快適に暮らせるよう、犬の様子を見ながら、犬の意見を聞きながら、やれることを精一杯やってみましょう。
また、繰り返しになりますが、犬が嫌がっていることをしていないか、犬の負担になっていることをしていないか、普段の接し方を改善して、ストレスを減らしていくことも大切です。
そして可能なら、将来的に、静かに暮らせるお庭のある一軒家への引越しも視野にいれてみるといいでしょう。
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