犬の健康のためにはお手入れが必要、だから小さいころからお手入れに慣らさなければいけない。よくそんなふうに言われています。
たしかに、爪や伸びた毛を切ったりすることは必要です。ですが、「絶対に慣らさないと!」などと意気込むと、逆にお手入れ嫌いにしてしまいます。
やらなくてもいいものは、やらないという選択も大切です。
そもそも、お手入れにはどんなものがあるでしょうか。
爪切り、耳そうじ、歯磨き、肛門腺絞り、毛のカット、シャンプー、ブラッシングなどがあげられるでしょう。
そのそれぞれについて、見てみましょう。
爪切りはどうしても必要と思っている方は多いでしょう。確かに爪が伸びてくると歩きにくくなりますし、伸び具合によっては皮膚に刺さることもあります。
ですが中・大型犬は、散歩で歩く程度で自然に削れるので大丈夫です。狼爪についても、切らなくても削れます。うちで保護していた中・大型犬は、だれも爪切りはしませんでした。
他方、小型犬はときどき爪を切る必要があります。
なるべく自分で切ってあげたほうが、犬の負担が少なくてすみますが、すでに苦手になってしまっている場合は、動物病院などで手早く切ってもらいましょう。
足の先端はとてもデリケートな部分ですから、強くつかんだり握手するように握ったりせずに、やさしくそっと触ります。
犬を押さえつけて一気に切ろうとすると、いっぺんで苦手になってしまいます。一度につき爪1本ずつにすると、すぐに終わるので犬も嫌がりません。
散歩や食事の後など興奮しているときは避けて、犬が落ち着いているときにおこないましょう。
耳そうじは、洗浄液を入れて拭いたり、耳の中の毛を抜いたりします。
ですがこれらは、すべての犬に必要なわけではありません。何もしなくても問題ない犬も多いのです。
その一方で、ダックスフントやトイプードルのようなたれ耳の犬や、フレンチブルドッグなどの皮膚が弱い犬は、外耳炎になりやすい傾向があります。
だからといって耳そうじをやりすぎると、かえってよくありません。耳の毛を抜くときに傷つけて、そこから外耳炎を発症することもあります。
普段のお手入れは、コットンを指に巻いて、耳の入り口付近を軽く拭く程度にするといいです。犬が嫌がったらやらないほうがいいです。
トラブルがある場合は、動物病院に連れて行きましょう。
最近、歯磨きの重要性が強調されています。歯磨きをして歯周病を予防しようというのです。
そのためには、歯周ポケットの中にまでしっかりブラシの先端を入れ、歯垢を掻き出さないといけません。ですが、口が小さい犬でこれを行なうのは、とても困難です。ガーゼでぬぐうだけでは歯周病効果はないと、歯科医は言います。
口のまわりは非常にデリケートな部位なので、余計に難しいものです。無理におこなうと、余計に苦手になってしまうので、やめたほうがいいでしょう。
歯石の付きやすさには個体差があります。付きにくい個体は、なにもしなくても大丈夫です。
小型犬は付きやすい傾向がありますが、口が小さすぎてよく磨けません。嫌がらない程度にやってみてもいいかもしれませんが、がんばらないようにしましょう。
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