散歩で歩かない

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犬が散歩で歩かないのはなぜ?

日々の暮らしの中で、犬にとって最大のイベントは散歩です。散歩の準備をはじめると、大喜びで跳ね回り、リードをつけるのを待ちかねて、玄関から飛び出していく。犬といえばこんなイメージがありますし、またそういう犬は多いものです。

 

 

その一方で、散歩に行きたがらない、散歩に行ってもあまり歩かずにすぐに帰りたがるという犬も、実際には少なくないのです。楽しいはずの散歩なのに、なぜ歩かないのでしょう。その原因を考えてみましょう。

 

 

急に散歩に行きたがらなくなった場合

まず、いままで喜んで行っていたのに、急に行きたがらなくなったという場合には、体調不良や病気、怪我などが考えられます。元気がない場合には獣医の診察を受けましょう。

 

 

前回の散歩で、花火や爆竹などに遭遇したり、他の犬に襲われるなどの怖い体験をしたなどということがあったら、それが原因で散歩自体が怖くなってしまったのかもしれません。

 

 

無理に連れて行こうとせずに、自分から行く気になるのを待ちます。落ち着いた安全な環境で、2~3日のんびりすごしていると、少しずつ回復してきます。

 

 

散歩の準備をすると逃げていく場合

次に、散歩の準備をするといつも逃げて行くという場合です。

 

これは散歩自体が嫌だということも考えられますが、首輪やハーネス、リードなどを装着するのが嫌なのかもしれません。早く着けようとして、追いかけまわしたりしていませんか?

 

 

追いかければ犬は逃げて追いかけっこになりますから、玄関先で犬具の準備をして、静かに座って待っていてください。犬がそばに来たら、犬の真正面からではなく、横や後ろの方から、ゆっくりした動きで落ち着いて装着します。

 

 

慌ててバタバタ着けようとすると犬は興奮したり逃げようとしたりしますから、落ち着いて行うことが重要です。

 

 

それから、首輪やハーネスなどがきついなど、痛みや不快感から嫌がることもあります。犬が引っ張ると首が絞まるチョークチェーンやスリップカラー、同じく引っ張ると胴が締まるハーネスや、マズルを縛るタイプの犬具などは、犬に痛みや不快感を与えます。

 

 

また、足を通すタイプのハーネスは、装着時に飼い主が足を持つことで嫌がるようになりやすいです。散歩の時には、犬の体に負担をかけない、頭からすっぽりかぶるタイプのハーネスがお勧めです。

 

 

外に出るまでの通り道が苦手ということもよくあります。

 

 

最近では、犬と暮らせるマンションが増えてきました。こうしたマンションでは、共有スペースを歩く際に犬を抱っこするようにというルールを定めているところが多いようです。そうやって狭い廊下を通ったり、エレベーターの中にいたりするときに、ほかの人や犬と会うと吠えてしまう犬もいます。

 

 

逃げ場がないところで人や犬と接近する恐怖から、「あっちいけ」と吠えるのです。その際に、よそ様の手前、「ダメでしょっ!」などと叱ってしまうと、ますます犬は廊下やエレベーターが苦手になります。そこを通るのが嫌で散歩に行きたがらなくなってしまうということもよくあります。

 

 

こういう場合には、人や犬などがなるべく少ない時間帯に散歩に出るようにしましょう。吠える場合は、深夜、早朝は迷惑になるので、時間帯をずらします。叱ると吠えが悪化しますから、黙っていてください。

 

 

飼い主がイライラしたり、「あ、また吠えた。苦情を言われるかもしれない」などとビクビクしたりしていると、犬はますます不安になって吠えます。逆に、飼い主が落ち着いていて、「大丈夫、怖くないよ」という雰囲気をかもし出していると、犬も落ち着いて吠えずにいられます。

 

 

共有スペースの苦手を克服したら、喜んで散歩に行くようになった犬もいます。

 

 

社会化不足が原因かも

共有スペースの抱っこは嫌がらない、あるいは一軒家に住んでいるのに、散歩に行きたがらないという場合もあります。これは、子犬のときに散歩を始める時期が遅くなった犬によく見られます。

 

 

子犬のころには、外界からのさまざまな刺激に慣れやすい時期があります。これを社会化の感受期といい、生後3週齢にはじまって、10~12週齢ぐらいの間に完了すると言われています。この時期に適度な刺激にさらされることで、子犬は周りの環境に適応していくのです。

 

 

ところが、ワクチンプログラムが完了するまで外に出さずにいると、感受期を逃してしまいます。その結果、散歩で出会う刺激を脅威に感じるようになってしまうのです。また、感受期に怖い体験をしてしまうと、その記憶が強く残り、生涯にわたって怖がるようになってしまうことがあります。

 

 

このような場合には、刺激がなるべく少ない場所につれて行きます。それによって、散歩では怖いことは起こらないということを、学習し直してもらうのです。

 

 

車や自転車が歩行者のすぐそばをすり抜けて行くような道路や、駅周辺などの人通りが多い場所、車がビュンビュン走っていくような大通りのわきの歩道などは、犬にとっては怖いものです。

 

 

また、子供は急に走り出したり大声を上げたりするので、犬には脅威になります。幼稚園児や小学生などに会わず、車や人などが少なくて、ところどころに草や植え込みがある、静かな場所を歩くようにしましょう。

 

 

近所に原っぱや河川敷、人が少ない自然公園などがあれば、そこに行ってみてください。その際にも、先に書いたような静かな道を通ります。にぎやかな道しかない場合は、キャリーバッグなどに入れるか車に乗せるなどして広い場所まで連れて行き、そこから散歩を開始します。広々して自然豊かで静かな所で、人も犬もリラックスしてのんびり散歩するのが一番です。

 

 

もし犬が怖がって立ち止まったり固まったりしたときには、「そんなの平気だから歩きなさい」と無理強いしたりせずに、「そうか、怖いんだね」と犬の気持ちに寄り添ってあげるようにすると、少し安心してくれます。

 

 

まずは怖い刺激が届かない安全な場所に避難し、しばらく一緒に休憩して、犬が落ち着いたらまた散歩を再開します。無理そうならそのまま帰宅しましょう。そうやって犬自身が負担にならないように配慮することで、少しずつ刺激を受け入れられるようになるのです。

 

 

慣らすのではなく、犬が慣れるのを待つという意識でいることが大切です。スパルタ式に無理強いすることは、さらに恐怖感を植え付け、苦手なものをトラウマにしてしまいますから、十分に注意しましょう。

 

 

散歩場所と散歩の仕方・道具にも気をつけよう

それほど苦手なものが多くない犬でも、静かで自然豊かなところを散歩場所に選ぶことをお勧めします。犬によって好みは違いますから、犬が一番リラックスするような場所を探しましょう。

 

 

たかが犬の散歩とあなどってはいけません。犬にとっては散歩が日々の暮らしのなかでの唯一の楽しみなのです。その内容を充実させてあげることが、犬の生活の質を向上させることにつながります。

 

 

散歩の内容がつまらないと、散歩も嫌いになってしまいます。長い距離を歩く必要はありません。ゆっくりした速度で、犬の気が向くままにただブラブラしたり、草むらに鼻を突っ込んだり、空気のにおいを嗅いだりして、楽しむことのほうが重要です。

 

 

そのためには、もっとも多く出回っている1.2メートルの短いリードではなく、犬が自由に動ける長いリードを使いましょう。小型犬で3メートル、中大型犬で5メートル、超大型犬で8メートル程度が目安です。長いリードでゆったり歩く散歩に切り替えたら、楽しそうに歩くようになったという話をよく聞きます。

 

 

人間の場合も、わき目もふらずにまっすぐ歩くのは、運動会や競技会の入場行進ぐらいです。自然公園や野山を散歩するときに、そんな歩き方をする人がいるでしょうか。

 

 

犬の場合も同じです。散歩は力を抜いて、ブラブラするものです。人間のそばにピタッとついて歩かせる必要はありません。人も犬も一緒にいながら適度な距離を保ち、お互いのことを目の端っこで気にしつつ、それぞれが自分なりに楽しみましょう。

 

 

そしてときどき、犬が興味を持っているものを自分も体験してみましょう。犬にかれらの世界を教えてもらうのです。これが犬と一緒に散歩をする最大の楽しみなのです。

 

 

散歩嫌いを克服し、楽しい散歩ができるようになると、犬も人間も毎日の暮らしがずっと楽しくなります。そうなるように、安全な環境を提供して、犬が慣れるのを待っていてあげましょう。

 

 

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