留守番できないのはしつけ不足?

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ペットショップやブリーダーから犬を迎えるとき、「ケージにいれておけば留守番ができるので共働きでも大丈夫ですよ」といわれることがあります。

 

 

それを真に受けた結果、留守番中に吠えたり、遠吠えしたり、粗相したり、食べられないものを食べたり、家具などを破壊したりなどということになって、困り果てるということがしばしば起こります。

 

 

このような犬の行動は、分離ストレス行動(分離不安症)と呼ばれています。

 

 

同居人は、おとなしく留守番できるようになってほしい、破壊したり吠えたりしないでほしいなどと考えます。ちゃんと留守番ができる「いい子」になるよう、必死にしつけをするかもしれません。

 

 

ですが犬からすれば、不安で仕方がなくて、止むに止まれずやってしまうのです。

 

 

留守番時間が6時間を越えると、ストレス行動が増えるという調査結果があります。留守にすることが多い人やフルタイムで働いている人で、これから犬を迎えようと思っている人は、犬と暮らすのはきっぱりあきらめましょう。とくに保護犬の場合、同居人と環境が何度も変わるので、不安がとても強く、分離ストレス行動が出やすいので長い留守番はかわいそうです。

 

 

子犬を迎えた場合、本来であれば親や兄弟と一緒に過ごしている時期に、ひとりぼっちで留守番をさせることになってしまいます。刺激がない退屈な環境では成長が阻まれますし、ひとりぼっちのストレスは脳にダメージを与えます。

 

 

分離ストレス行動が見られた場合、その行動をやめさせようと考えるのではなく、どうしたら犬の不安をなくしてあげることができるかというふうに考えましょう。

 

 

分離ストレス行動には、環境の変化やトラウマ的な出来事による一時的なものもあります。その場合は、少し時間が経てば落ち着きます。

 

 

他方で、日常的に分離ストレス行動が見られる場合は、より意識的に対処する必要があるでしょう。可能な限りストレスの原因を減らして、犬の気持ちに寄り添い、よくコミュニケーションをとるようにします。

 

 

いわゆる「しつけ」はいりません。これまでは、「不適切な行動を矯正する」という態度でのぞむということがずっと行われてきましたが、その行動を止めさせるという発想では一時しのぎにしかなりません。例えその行動をしなくなっても、別のストレス行動が出たり体調を崩したりします。

 

 

本当に必要なのは心のケアとリハビリです。

 

 

そして、不安でどうしようもなくなるほどの時間、ひとりにしないということが大切です。

 

 

重度の分離不安症では、留守番がゼロのところからスタートしなければいけないこともあります。 こういうケースでは、フルタイムで勤務していて、毎日何十時間も留守番があるというのでは、改善は難しくなるでしょう。

 

 

各家庭や仕事の事情などによって、対応は変わってきますので、実現可能な解決策を考えてみましょう。仕事の時間を短くしてもらうとか、在宅勤務の仕事に変えるとか、自分自身がすぐに状況を変えることができないなら、定年退職した両親のところに犬を預かってもらう・・などです。

 

 

また、多頭飼育で1頭ずつ散歩にいくときに、どうしたらいいかという質問が出ることがありますが、こちらも対処法はケースバイケースです。小さい犬ならスリングに入れて同居犬の散歩に連れて行くということができます。中大型犬は留守番が苦手な犬を先に散歩に連れて行くとか、長持ちするガムを食べていてもらうとか、それでも耐えられない場合は抗不安薬を使うとか、その犬の状態により最も不安が少ない方法を考えます。

 

 

いずれにしても、環境と接し方を見直して、ストレスマネジメントを徹底することが第一に重要です。

 

 

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