犬と暮らしていると、「しつけ」という言葉を当たり前のように耳にします。
ですが、その「しつけ」とは一体何なのでしょうか。
そして、それは本当に犬のためになっているのでしょうか。
ここでは、「しつけ」と「犬育て」の違いについて、考えてみたいと思います。
しつけとは「人間の都合に合わせること」
一般的に言われている「しつけ」とは、
- 吠えないようにする
- 噛まないようにする
- 言うことを聞かせる
- 決められた行動をさせる
といったように、犬の行動を人間の都合に合わせてコントロールすることを指すことが多いのではないでしょうか。
そこには、
- 「こうしてほしい」
- 「こうしてほしくない」
という人間側の価値基準があります。
つまり、しつけとは人間の望む行動を犬に求めることとも言えます。
犬育てとは「共に生きること」
それに対して犬育てとは、犬をコントロールすることではなく、共に暮らし、分かち合うことです。
犬は人間とは違う種の生き物です。
感じ方も、考え方も、心地よいことも違います。
その違いを理解しようとしながら、
- どう感じているのか
- 何が安心なのか
- どうすれば無理なく過ごせるのか
を考え、寄り添っていく。
それが犬育てです。
「押しつけ」か「分かち合い」か
しつけと犬育ての違いは、とてもシンプルです。
一方的な押しつけか、分かち合いか、この違いです。
例えば、見た目がかわいいからと服を着せたり、写真映えするから飾りをつけたりする・・
こうした行動も、人間にとっては楽しいものかもしれません。
ですが、犬にとってそれは本当に心地よいのでしょうか?
犬の立場で考えてみると、違う答えが見えてくるのではないでしょうか。
喜びは「共有」できたときに大きくなる
人は、一人では感じられない喜びを、誰かと分かち合うことで大きくすることができます。
おいしいものを食べたとき・・感動するものに触れたとき・・
誰かと共有できたとき、その喜びはより深くなりますよね。
それが、異なる種である犬と分かち合えたとき、その喜びは、さらに大きなものになります。
犬が幸せであることがすべての出発点
犬にとって無理のあることをさせて得られる満足は、長くは続きません。
ですが、
- 犬が安心して過ごし
- 自然な行動ができて
- 穏やかに暮らせているとき
その状態を一緒に感じられたとき、人も犬も満たされる関係が生まれます。
犬育ては関係を育てること
犬育てとは、犬を思い通りに動かすことではなく、犬の気持ちに寄り添い関係を育てていくことです。
犬が幸せを感じ、その喜びを分かち合えたとき、その幸せは減るのではなく、むしろ大きくなっていきます。
それこそが、本当の意味での「犬と暮らす」ということではないでしょうか。

