ペットのテレビ番組などで、「いい犬」「ダメな犬」または「バカ犬」という表現がよく使われています。
どんな犬が「いい犬」で、どんな犬が「ダメな犬」「バカ犬」なのでしょうか?
多くの場合、「苦手なことが少ない犬」がいい犬とされ、「苦手なことが多い犬」には問題があるように扱われがちです。
でも、本当にそうなのでしょうか。
苦手なことがある犬はダメな犬!?
「いい犬」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはこんな姿かもしれません。
- 吠えない
- 人が好きでフレンドリーに挨拶できる
- 他の犬とも仲良くできる
- 呼んだらすぐ来る
- 抱っこさせてくれる
- どんなところでも散歩できる
反対に、「ダメな犬」「バカ犬」と言われてしまう犬は・・・
- 吠える
- 噛みつく
- 人に吠えたり突進したりする
- 他の犬が苦手
- 触られるのが苦手
- お手入れが苦手
など、「苦手なこと」が多い犬です。
ですが、苦手なことがあることで「ダメな犬」「バカ犬」なんて言えるのでしょうか。
こうした行動の多くは「性格の問題」ではなく、犬が何かを伝えようとしているサインです。犬の行動の理由については、以下の記事でも詳しく解説しています。

犬の苦手なことは無理に克服させなくていい
私たち人間は、子どものころから「苦手なことは克服しましょう」と言われて育つことが多いと思います。
でも、苦手を克服するのは簡単なことではありません。
自分で「頑張ろう!」と思い、どうすればいいか考え努力しても、どうしても苦手なままのこともあります。
それでも私たちは、苦手があっても生きていけます。
工夫したり別の手段を使ったりすることで、困らずに暮らしていることも多いはずです。
犬も同じで、克服させる必要はありません。
むしろ、人間が「慣れさせよう」「平気にさせよう」と頑張ってしまうと、かえって犬に大きなストレスを与えます。
「慣れた」「もう平気」という感覚は、犬自身にしか分からないものだからです。
犬が苦手なことには工夫で対応できる
犬の苦手は、無理に克服させなくても、工夫することでうまく付き合えることがたくさんあります。
苦手なものの内容や犬自身のスキルによって、犬自身がちゃんと自分で考えて対応できるケースと、人が少しサポートしてあげると良いケースと、さまざまです。
しかし、人があれこれ指示するのではなく、犬がどうするか様子を見守っていると、犬は自分で考えて自分の方法で対応するようになるというのは共通している点です。

グレーチングが苦手な犬
たとえば、道路にあるグレーチング(側溝の上の網状のふた)が苦手な犬。
足の感触が気持ち悪かったり、穴があいていて怖かったりして、どうしても歩きたがらない犬もいます。
こういうとき、人間は「どこでも歩けるようにしたほうがいい」と考え、トレーニングをしようとすることがあります。
おやつを使ってグレーチングの上を歩かせようとする方法もありますが、おやつがないと歩けなくなったり、怖くておやつどころではなかったりと、うまくいかないこともあります。
でも、よく考えてみるとグレーチングの上を歩く必要はありませんよね。
- 少し遠回りして別の道を通る
- ジャンプして飛び越える
- 人に抱っこしてもらう
など、いくらでも別の方法があります。
自分で通るのはやっぱり難しいから、「人間に抱っこして通ってもらおう」と考えてお願いするのだって、立派な対応ですよ!
雷や花火が苦手な犬
雷や花火など、大きな音が苦手な犬は多いです。
それらの音がなったときに、人間にピッタリくっついてブルブルと震えたり、布団の中にもぐってきたりすることがあるでしょう。
そんな時は、犬に少しでも安心してもらえるように、不安な気持ちを肯定して、ゆっくり撫でてやり過ごしてあげてください。
花火などの前もって分かるイベントの時には、音が聞こえない場所まで車で避難するのも良い方法です。

犬の「苦手」はそのままでいい
私たちは、苦手なことは克服すべきで、「みんなと同じ」ようにできないといけないと無意識に思い込んでいないでしょうか?
もし、犬に対してもそう思って接していたら、言葉に出さなくても無言の圧力になりますし、犬の自信はどんどん失われてしまいます。
苦手なことを克服させようとするよりも、
- どうすれば犬が安心できるか
- どうすれば無理なく過ごせるか
を考えてあげるほうが、ずっと穏やかに幸せな気持ちで暮らすことができます。
犬の「苦手」は、そのままでも大丈夫。
少し工夫すれば、犬も人も安心して暮らしていくことができます。

