犬と暮らしていると、
「しっかり叱ることが大事」「できたらしっかり褒めましょう」
そんな言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。
ですが、本当にそれで犬は安心して暮らせるのでしょうか。
この記事では、「叱る・褒める」という、しつけの考え方を見直し、犬との関係について考えていきます。
叱ることで問題は解決するのか
犬を叱る場面として、よくあるのは次のようなときでしょう。
- 吠えたとき
- 噛みついたとき
- リードを引っ張ったとき
- 留守中に粗相したとき
ですが、それぞれの行動には理由があります。
吠え
犬にとって吠えは「言葉」です。
嬉しい、イライラする、不安だ、興奮している・・
そんな気持ちを伝えています。
それに対して「やめなさい」と叱っても、気持ちそのものは消えません。
噛みつき
噛みつきの多くは、自分を守るための行動です。
怖い、苦しい、限界・・そういった状態で起こります。
それを叱ると、犬はさらに不安になります。
留守中の粗相
これは分離ストレスによる行動です。
不安の中で起きている行動を叱ることは、さらに不安を強めることにつながります。
つまり、叱ることで行動を止めようとしても、原因が解決されることはありません。

では「褒めるしつけ」ならいいのか
最近は「褒めるしつけ(陽性強化)」が主流になっています。
一見、やさしい方法に見えますが、ここにも見落とされがちな視点があります。
「いい子」は誰にとってのいい子?
吠えない、噛まない、おとなしい、言うことを聞く・・
これらはすべて、人間にとって都合のいい行動です。
犬自身の気持ちではありません。
褒めることもコントロールになりうる
褒めるしつけでは、「人が望む行動」をしたときに報酬が与えられます。
すると犬は、
- 褒められるために行動する
- 嫌われないように行動する
ようになります。
つまり、自分の気持ちではなく、人の反応を基準に生きるようになるのです。

表情やご褒美への依存
犬はとても観察力が高い動物です。
人の表情や反応を敏感に感じ取り、それに合わせて行動するようになります。
また、おやつを使う場合は、人間自身はおやつがないとパニックになったり、犬は「いつもらえるか」に意識が向き、ソワソワと落ち着かなくなったりします。
叱るも褒めるも「同じ方向」を向いている
一見まったく違う方法に見えますが、叱るしつけと褒めるしつけのどちらにも共通しているのは、人が犬をコントロールしようとしていることです。
方法が違うだけで、「人の望む行動をさせる」という発想は同じなのです。
人間が好ましいと考える行動をとったときに、褒めたりご褒美を与えたりして行動を制限・管理し、犬の主体性は認めていません。
ですので、私たちは「褒めるしつけ」も必要ないと考えています。
大切なのはコントロールではなく「理解」
では、どう関わればいいのでしょうか。
大切なのは、犬の行動を評価することではなく犬の気持ちを理解し寄り添うことです。
勇気づけという関わり方
PONOPONOでは、叱るでも褒めるでもなく、「勇気づけ」を大切にしています。
例えば、
うまくできたとき
〇→「とても頑張っていたね」
×→「いい子!!よくできたね!」
できなかったとき
〇→「怖かったね、無理しないで大丈夫だよ」
このように、結果ではなく気持ちや過程に寄り添います。

犬は安心すると落ち着いて判断できるようになる
犬は社会性が高く、仲間との関係をとても大切にする動物です。
ですので、評価するのではなく、対等に接することが非常に大切です。
そして自由と意思を尊重し、ストレスの少ない環境を整えること。
そうすることで、犬は安心して自然と落ち着き、自分で考えて行動できるようになります。

犬と「仲間」として生きる
私たちは友人に対して、叱ったり行動をコントロールしたりするでしょうか。
そうではなく、
- 理解しようとする
- 共感する
- 支え合う
のではないでしょうか。
犬との関係でも同じです。
犬をしつけるのではなく、犬と仲間になること。
それが、安心して暮らすための土台になります。

