犬が室内のあちこちで粗相をしてしまうと、「犬がトイレの場所を覚えないからだ」と考える人が多いものです。
ですが、実際には、犬がトイレを覚えられないことはほとんどありません。
この記事では、犬がトイレ以外で排泄してしまう主な原因について解説します。
犬がトイレを覚えないわけではない
犬が粗相すると、「トイレトレーニングができていない」と考えがちです。
しかし、多くの場合、犬がトイレの場所を理解しています。
それでも粗相が起きてしまうのは、
- 犬の不調
- 強いストレス
- 環境的な問題
などが関係していることが多いです。
つまり、粗相は「しつけ不足」ということではなく、犬からのサインであることも少なくありません。
まずは原因を冷静に考えてみることが大切です。
犬の粗相の原因とは
犬がトイレ以外の場所で粗相をしてしまうときには、以下のような原因が考えられます。
病気によるもの
まず疑いたいのは、体の不調です。
排泄に関わる病気があると、犬はトイレをコントロールできなくなることがあります。
もっとも一般的なのは「下部尿路疾患」です。これは膀胱炎、尿道炎や結石症などの総称で、次のような症状が見られます。
- 頻繁にトイレにいく
- 血尿
- 排尿時に痛がる
- 排尿の姿勢をよくするのに尿がでない、もしくは少量しか出ない
- 性器をよく舐める
このような症状がある場合は、早めに動物病院で相談しましょう。
また、小型犬や超小型犬では、水頭症や後頭骨・頚椎形成不全などの影響で、排泄のコントロールが難しくなることもあります。これらは簡単に治るものではないので、生活環境を整えて、粗相を受け入れてあげることが必要になります。
ストレスによるもの
粗相の原因としてもっとも多いのが、ストレスによるものです。
人間でも、緊張する場面ではトイレに行きたくなることがあります。犬でも同じことが起こります。
精神的なストレスによって頻尿になり、トイレ以外の場所で排泄してしまうことがあるのです。
特に見られやすいのは、次のような状況です。
- ケージやクレートに長時間閉じ込められていた
- 長時間留守番をしていた
- 強く叱られた
- 興奮する遊びを続けた
- 室内を激しく走り回った
とくにケージやクレートから出した直後に、家のあちこちでマーキングのように少量の尿をするのがよく見られます。
これを「縄張り意識」と説明されることがありますが、実際には、自分では出ることができない狭い場所に閉じ込められているストレスが原因のストレス反応なのです。
この場合、叱ったりトイレの場所を教え直したりしても解決しません。わたしたちが緊張したときに、トイレに行きたくなるのを抑えることができないのと同じ理由によるものです。
まずは犬のストレスを減らすことが必要です。
トイレに行けない理由がある
意外と多いのが、「トイレに行けない状況」が原因のケースです。
たとえば、外で排泄するのが好きな犬が、長時間室内に閉じ込められていた場合、我慢するか粗相するかしか選択肢がなくなります。限界になれば粗相するしかありません。
また、室内トイレを使っている犬では、
- トイレシートが汚れている
- シートの素材が嫌い
- トイレの場所が落ち着かない
といった理由で、トイレを避けてしまうこともあります。
さらに、一度粗相を叱られてしまうと、「排泄すると叱られる」と学習してしまうことがあります。
そうなると、人から見えない場所に隠れて排泄するようになりますし、叱られるストレスで頻尿にもなり、また叱られて・・という悪循環に陥ります。
粗相を「しつけの問題」と考えないこと
犬の粗相は、トイレトレーニングの問題ではありません。
体の不調やストレス、生活環境など、さまざまな要因が関係しています。
それを無視して叱ったり、トレーニングを繰り返したりしても、問題は解決しません。
まずは犬の状態や生活環境を見直し、何が原因になっているのかを考えることが大切です。
粗相の多くは、環境を整えることで自然と改善していきます。
ですので、叱るのはきっぱりやめて、犬が安心かつ安全に排泄できるように、そっとしておいてあげましょう。

