犬が吠えると「困った行動」と感じてしまうことが多いかもしれませんが、吠えは犬にとってコミュニケーションのひとつです。
大切なのは、すべての吠えを止めようとすることではありません。
犬の吠えには、気にしなくていい自然な吠えと、生活環境の見直しが必要な吠えがあります。
ここでは、犬の吠え方やきっかけから分かる犬の吠えの種類と、「見守ってよい吠え」と「気にかけたい吠え」の違いについて説明します。
犬の吠えにはいくつかのタイプがある
犬の吠えにはいくつかのタイプがあります。
一見同じように見える吠えでも、理由はそれぞれ違います。
よく見られる吠えの例をいくつか紹介しますね。
警戒吠え
家の前に人が来たときや、外で聞きなれない音がしたとき、電話がなったときなどに吠えるタイプです。
これは犬が、「何か来たよ!」「気を付けた方がいいかもしれないよ!」と仲間に知らせている行動で、犬の習性として自然なものです。
このような吠えは、犬の本能的な行動なので、過剰に気にする必要はありません。
興奮吠え
同居人が帰宅したときや、ごはんの時間などに吠える犬もいます。
これを「要求吠え」と言われることがありますが、実際には興奮して吠えているケースも多く見られます。
嬉しさや期待で気持ちが高ぶり、思わず声が出てしまうような状態で、声のトーンは高めで、ピッチは速めなのが特徴です。
このようなときはすぐに声をかけたり撫でたりすると余計に興奮するため、人が静かに座ったり動きをゆっくりにしたりして(カーミングシグナル)落ち着いた雰囲気をつくると、犬も自然と落ち着きやすくなります。
犬に対して「落ち着いて」を伝えるカーミングシグナルについては、以下の記事をご覧ください。

要求吠え
何かしてほしいことがあるときに吠える場合もあります。
ただ、犬は単に吠えるだけではなく、
- 近くにくる
- じっと見つめる
- 体を触る
- 物を落として気を引く
など、さまざまな方法で気持ちを伝えようとすることが多いものです。
犬は「どうすれば伝わるか」を考えながら、人に気持ちを伝えようとしています。
ストレス吠え
注意して見てあげたいのが、ストレスが原因の吠えです。
ストレスが高い状態では、
- 警戒
- 興奮
- 要求
などが混ざったような、理由がはっきりしない吠えが続くことがあります。
一定のペースで吠え続けるのが特徴です。
犬自身も落ち着くことができず、不安や緊張が体の中にたまってしまっている状態です。
このような場合は、吠えを止めようとするのではなく、生活環境や接し方の見直し、犬のストレスを減らしていくことが大切です。
犬の習性としての当たり前の吠え
犬が吠えることは、本来とても自然な行動です。
例えば、
- 家の前に人がきたとき
- 外で聞きなれない音がしたとき
- 何か気になるものを見つけたとき
このような場面で吠える警戒吠えは、犬にとってごく普通のことです。
玄関や窓の外に向かって吠えている場合は、一緒に様子を見に行ったり、人が確認して「大丈夫だったよ!」と伝えてあげると、犬も安心しやすくなります。
尚、犬がなぜ吠えるのかという基本的な習性については、以下の記事でも詳しく説明しています。

気にかけた方がいい「吠え」
一方で、生活環境を見直した方がいいサインとしての吠えもあります。
例えば、
- 警戒する対象がいなくなったのに吠え続ける
- 些細な物音にも激しく反応する
- 理由が分からないまま吠え続ける
- 夜中に突然吠えだす
このような吠えが続く場合、犬の心や体に強いストレスがかかっている可能性が高いです。
犬が吠えているとき、犬自身は「吠えよう」と思っているわけではありません。
体の中にたまった不安や緊張がいっぱいになり、あふれ出してしまっている状態です。
ストレスが高い状態になると、
- 周囲の物音に過敏になる
- 状況をうまく判断できなくなる
- 落ち着いて過ごせなくなる
といった変化が起こり、吠えが増えることになるのです。
吠えを止めようとする前に見直したいこと
このような吠えが見られると、しつけて静かにさせることを考える方も多いでしょう。
ですが、犬の生活環境を見直し、ストレスが少ない状態にすることが何よりも大切です。
例えば、
- お散歩の内容
- 生活リズム
- 家の中での過ごし方
- 人との関り方
などが、犬の習性に合っていないと、ストレスが積み重なり、吠えとしてあらわれることがあります。
吠えそのものを問題として捉えるのではなく、「犬が何を感じているのか」という視点でみてあげてください。
生活環境が整い、犬が安心して過ごせるようになると、ストレスによる吠えは自然と減ってくることが多いです。

